
マイホーム購入時の三為契約って一体なに?
どうやったら三為契約かわかるの?
夢のマイホームを購入しようとしたとき、「三為契約(さんいけいやく)」という言葉を耳にしたことはありますか?
表向きは普通の契約でも、裏ではトラブルに巻き込まれる恐れのあるこの契約形態。
実は、素人では気づきにくく、不動産のプロでさえ意見が分かれるほどグレーな契約形態なのです。

三為契約の基本から実際のトラブル事例、そして契約時に気を付けるべきポイントまで詳しく解説します。
一生に一度の大きな買い物で失敗しないために、ぜひ最後まで読んで正しい知識を身につけてください。
三為契約とは?基本的な意味と背景
三為契約とは、不動産の売買において「A(元の売主)」→「B(中間業者)」→「C(最終買主)」という三者の関係性が存在する契約です。
特に注目すべきは、「B」が契約時点で物件の所有権を持っていないのに、まるで自分が売主のように装って「C」と契約を結ぶケースです。
表面的には「B」と「C」の直接契約のように見えますが、実際はその裏で「A」→「B」の売買も同時進行している状態なのです。
三為契約で登場する三者の関係性をポイントで説明するとこのようになります。
- A(本当の物件所有者):最初に土地や建物を所有している人物
- B(中間業者・転売業者):利益を得る目的で契約に入る
- C(買主・エンドユーザー):マイホームを買おうとしている人
なぜ三為契約が問題視されるのか?
三為契約は一見合法のようにも見えますが、法的には非常にグレーな位置づけにあります。
中間業者(B)は物件を所有していない段階で契約を結ぶことになるため、「権利のない者による売買」とみなされる可能性もあるのです。
民法上は、契約締結時点で「売主が当該不動産を所有していない場合」、その契約の有効性に疑義が生じることがあります。
つまり、買主がそのリスクを知らずに契約してしまえば、契約自体が無効となる危険性もあるのです。
消費者が三為契約に巻き込まれた場合、以下のようなリスクが存在します。
- 中間業者が倒産すれば契約が白紙に
- 所有権移転の遅延、あるいは未遂
- 表示価格と実価格の乖離
- 瑕疵責任の所在が不明確
特に「誰に損害賠償を請求すればいいのか」が曖昧になるのが最大の問題です。
三為契約が用いられる典型的なケース
多くの個人が一生に一度の買い物として購入するマイホームですが、三為契約が隠れているケースも少なくありません。
中間業者が先に買付け権利を得ておき、その段階で最終買主と契約を交わし、短期間で利益を得るという流れです。
このような場合、買主は「この物件はまだ売主の手元にあるのでは?」と疑問を持つことなく契約してしまいます。
土地の転売では特に三為契約が多く見られます。
業者が土地を仕入れる前に、すでに買い手を見つけておき、ほぼ同時に売買契約を2つ交わすことで短期での転売利益を狙います。
この構図により、土地の本来の価値よりも割高で購入させられるケースもあります。
不動産業者の裏テクニック?三為契約の使い方
三為契約を活用することで、中間業者が「実際より高額な売買価格」を提示するケースがあります。
たとえば、Aが2000万円で売っている土地を、BがCに2500万円で売却し、差額の500万円を利益として得るのです。
買主にとって一番のリスクは、「相場より高額で購入させられること」「瑕疵責任を取るべき人が曖昧になること」です。
また、資金決済や登記のタイミングで問題が発生することもあり、安心して購入できないのが現実です。
実際のトラブル事例とその解決法
実際に、三為契約に関連する裁判では「売買契約が無効である」「損害賠償請求が通らなかった」などの例があります。
買主が契約相手が真の所有者でないことに気づいたときには、すでに手遅れになっていたというケースも。
トラブルを防ぐために、必ず下記のことを確認しましょう。
- 契約書に記載された「売主」が誰かを確認
- 登記簿謄本で所有者名義を確認
- 契約前に不動産専門の弁護士または宅建士に相談
信頼できる不動産業者の見分け方
信頼性の高い不動産業者は、宅地建物取引業の免許番号を明確に公開しています。
国土交通大臣または都道府県知事から許可を得て営業している証なので、業者の公式サイトやパンフレットでチェックしましょう。
また、「宅地建物取引士証」を持つ担当者が取引に関与しているかどうかも確認することが大切です。
インターネット上の口コミサイトや「国土交通省 不動産業者検索サービス」を利用すれば、その業者の過去の行政処分歴や苦情件数も確認できます。
- Googleレビュー
- みんなの評判ランキング
- 不動産ジャパン
なども利用して、業者選びの材料にしましょう。
もし三為契約を疑ったらどうする?
以下のような状況では、なるべく早く不動産に詳しい専門家(弁護士、宅建士など)へ相談してください。
- 契約相手の名義が登記と一致しない
- 価格が相場より極端に高い
- 契約の流れや説明が曖昧
無料相談を受け付けている「弁護士会」や「消費者センター」もあります。
もし契約書に不備があり、三為契約の形で買わされていたと分かった場合でも、以下の救済手段があります:
- 契約無効を主張(民法の基本原則に基づく)
- 詐欺的取引として損害賠償請求
- 取消権の行使(契約直後であれば可能)
法的手段は時間とコストがかかるため、早期対応が重要です。
不動産購入前にできるリスク回避策
医療の世界だけでなく、不動産でもセカンドオピニオンは有効です。
「この契約内容で問題ないか」を第三者の専門家に見てもらうことで、思わぬリスクを避けることができます。
行政書士やファイナンシャルプランナーも、契約前のチェックには役立ちます。
以下のような相談窓口を活用しましょう。
- 全国宅地建物取引業協会連合会
- 消費生活センター
- 法テラス
無料で専門家に相談できる場合も多いため、気になる点があればすぐにアクションを起こすことが大切です。
結論:三為契約は合法?違法?
法律的には、「三為契約=違法」と断定することはできません。
しかし、買主に不利益を与えるような形で利用された場合は違法性が高まるとされています。
多くの弁護士が指摘するのは、「買主の同意がないまま中間業者が実質的に利益を得る場合」は、民法の信義則違反や詐欺的契約とみなされやすいという点です。
【まとめ】三為契約に騙されないために知っておくべきこと
三為契約は、一見すると普通の不動産契約に見えますが、その背後には中間業者の意図や利益が潜んでいることが多く、買主にとって大きなリスクを伴います。
しかし、正しい知識と冷静な判断、そして第三者の意見を活用することで、こうしたリスクは十分に回避できます。
- 契約相手の名義と登記の照合
- 重要事項説明書の精査
- 信頼できる業者選び
- 不安があれば即相談
この4つのポイントを押さえることで、あなたのマイホーム購入は安心で満足度の高いものになるでしょう。
コメント